基礎工事編今昔
2013.02.05
45年も建築工事にたずさわって来ました経験から、基礎工事はどうしたら良いのかが見えて来た気がします。 これが最高とは思っていませんが、いろいろな面から考えると こんな基礎がお勧め
と言うものがあります。
基礎 昔は地固めをしてその上に石を置いて柱を建てました。
その次は コンクリート(セメント)を使うようになって、布基礎が定番になりました。
改良型として、鉄筋が入らない無筋コンクリートから 鉄筋がお情けで入る位の基礎工事が
出来ました。
今は ベタ基礎が標準になっています。
鉄筋の太さも、抵抗の無い丸鉄筋から いぼいぼの付いた異形鉄筋が使われています。
3階建てには フックも加工されています。鉄筋のピッチ(間隔)も計算されて 狭く入れる
所まで来ました。
風窓(空気口)も考え方によって 無くなってきています。
風窓の削れた部分が弱く、古い家を見ると必ずと言って良い程ひび割れになっています。
その部分には斜めに補強鉄筋を入れるようになって来ました。(今は補強の写真を撮って保存しています)
が基礎の風窓は 床下の空気の流通の為に必ず開けなくてはいけないものとされていました。
なぜかといいますと、空気の流通(換気)が行われないと、腐敗菌が繁殖して 木材をふかふかにして
しまう菌が繁殖して家の土台を腐らせてしまうからでした。(今日も世田谷深沢でその再生工事に立ち会って
来た所です)
蛇足ながらそれ以前の石を置いてその上に柱を建てた家は、布基礎でなく、独立基礎と言う 繋がっていない
基礎でしたので、風がスースーと抜けて、乾燥するので 土台が腐敗菌に犯されることはありませんでした。
が、冬は床下がスースーするわけですから 寒い家でした。
何故寒いのか? それは 熱がうばわれるから寒くなるのです。
人は熱い時どうしますか? ウチワであおぐと 汗が風で蒸発して気化熱をうばい(熱がうばわれて)涼しく
なるのと一緒で、床下では耐熱した温度がどんどんうばわれるので、夏涼しく、冬寒いと言う事になります。
それに対抗して 基礎に風窓を設けず、地震にも強く(弱い箇所を作らない)基礎の内側、又は外側を断熱材で
おおって、熱を奪われない様にする方法が多くなって来ています。
しかし この状態では、先ほどの話の腐敗菌がはびこる事になってしまうので、今度は 床下を部屋の一部と
考えて、床下の空気も循環させてあげる事で、腐敗菌の発生を食い止め、土台を腐らせないようにする工法が
出来てきています。私の所では数年前からこの工法での作業をお勧め、実行しています。
その一昔前は、風窓を四角くカットすると基礎が弱くなるので、150Φの丸穴を開けて風を通していた時期も
ありました。この時は冬は 空気穴を塞いで、春から厳冬になるまでは開口をあけている作業が必要でした。
自動開閉の記憶形状金属による換気口もありました(今もあります)が 高気密、高断熱のこれからの家には
基礎の風窓は時代遅れと言っても良いのではないでしょうか?
ちなみに風窓と ネコ基礎(基礎パッキン)とは同じ事と考えて間違いありません。しかし建売などでは
基礎パッキンを使った家がまだまだ主流の現状です。
私は更に 床下の風の流れを淀ませないで効率的に促進させるフクビさんの工法を使い、現時点での最前線
工法としての基礎工事を取り込んで施工しています。詳細はお問い合わせ下さい。良い家を建てるためでしたら
惜しみなくお伝えしていきたいと考えます。